2018/01/13

児童図書館研究会

児童図書館研究会とは。
1953年より児童図書館に関わる研究をおこない、子どもの読書環境の充実発展をはかることを目的に活動している。
図書館員、文庫関係者、子どもの文化、子どもの本、子どもを知ろうという会員で構成されている。
おもな活動内容としては、機関誌『こどもの図書館』の発行(毎月)、全国学習会(年1回)、ミニ学習会、実務講座の開催、出版活動、支部活動など。
http://www.jitoken.com
運営は会員のボランティアで成り立っている。
昨年11月に広島県立図書館の正井さゆりさんを招いての学習会が開催されたとき、例によって時間ぎりぎりで会場に向かう途中、寒さのなか道案内に立つ運営委員の姿が印象に残った。

『こどもの図書館』2018年1月号は「新春お年玉企画」と銘打ち、「児童図書館員に期待すること」というテーマで、さまざまな立場で子どもと子どもの本に関わっている人の寄稿を掲載している。
機関誌編集は各支部が持ち回りで担当しており、1月号は福岡支部の担当だ。
機関誌を月刊で出し続けることの大変さ……少しはわかる。
松岡享子さんをはじめ村中李衣さんの稿にまじって、以下拙稿も掲載された。

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未来への希望 貧困層の子どもたちへの読書支援

わたしは「本作り空Sola」という小さな会社をパートナーと一緒に営んでいる。わたしたちの仕事は「こんな本が作りたい」という企画を立て出版社に提案するところから始まる。企画が通ると、実際に本にするまであらゆる実務をおこなう。2018年で14年目を迎える。ただ走り続けてきたが、継続には地道な努力と未来への希望が必要なことは少しだけわかってきた。 
わたしが児童図書館研究会(以降「児図研」)に入ったきっかけは、『児童図書館研究会のあゆみ 児童図書館研究会50年史』を読んだことにある。1953年に発足して貴重な活動を続けてきた児図研のことを、子どもと本の周辺にいる人たちに広く知らせることは、児図研の活動を次世代に手渡すために必要なことではないだろうか。
昨年2月の全国学習会で販売した2冊の新刊『乳幼児おはなし会とわらべうた』(落合美知子著)と『子どもの本から平和を考える』(児図研編)。編集と制作を本作り空Solaが担当した。今後本作りのプロとして児図研の会員として、児図研の会員の個々やグループの未来に引き継ぐべき蓄積を「出版企画」という形で拾い、本を作り、一般に広めていくことができたらいいと思っている。現在2019年の全国学習会に向けて「保育と人形の会」(高田千鶴子主宰)のみなさんと「子どもと本を結ぶ人形たち」という出版企画を進めている。
目の前の仕事をこなすことで精一杯という状況は、図書館の現場でも出版の現場でも同じかもしれない。会社の場とはべつに2015年4月から隔月で「Sola1冊の本プロジェクト」という小さな集まりを続けている。メンバーは公共図書館員、学校司書、翻訳者、画家、作家、編集者など十数名。毎回検討事項を決めて担当者が発表したり、ゲストを招いて話を聞いたり、読書会などもおこなっている。「Sola1冊の本プロジェクト」は以下2つの活動の柱をもっていきたいと考えている。
1「1冊の本」の発掘
・児童書作品(創作、ノンフィクション、翻訳)の発掘
・復刊作品の発掘
2「1冊の本」の普及「すべての子どもたちに本を」
・さまざまな要因で本が届いていない子どもたちへの読書支援
・子どもたちに本を手渡す大人への支援
「1冊の本」の発掘
児童書をとりまくさまざまな立場の人たちと意見交換するなかで企画検討をおこない、新しい作品を発掘していきたい。児童図書館員は「お話を聞く」というスタンスではなく、異なる立場と人たちと対等に議論するという場が意外と少ないのではないだろうか。既成概念にとらわれずに原石の魅力を発掘することは、未来への希望につながると思う。
「1冊の本」の普及
貧困層の子どもたちへの支援は、国・自治体・NPO団体等が各種活動をおこなっている。貧困層の子どもたちへの読書支援活動の実態はどうなのか。「生きる」ために必要な支援という点では優先順位は低く、読書でも「勉強のための読書」が優先されるだろう。「楽しみのための読書」こそすべての子どもたちに必要な体験だとわたしは思う。「楽しみのための読書」を経験することが、自分で考えることや判断することや決定すること、自分を自分で守ることにもつながるのではないだろうか。
たとえば「公共図書館」の場で「貧困層の子どもたちへの読書支援」を継続していくことができないか。実際「公共図書館」の場にどれだけ「貧困層」の子どもが足を運ぶかといえば……難しいだろう。図書館で待っているだけではなく出ていくことも必要かもしれない。
「図書館」でおこなう「貧困層の子どもたちへの読書支援」の試みを小さな一歩を、図書館員に始めてもらえないだろうか。その記録を本にして広めることができたらいい。未来への希望として。


2018/01/10

パジャマは上下おそろいがいい

友人の大島理惠さんが描いてくれた。

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パートナーの病室の床頭台の引き出しには、着替え用のパジャマが入っている。
パジャマを順番に着せてもらうために「パジャマは上から使ってください」
という絵入りカードを、以前大島さんに描いてもらい、引き出しに貼った。
これが功を奏して、パジャマのローテションが思いのままになった。
介護士さんからも「かわいい」と好評だった。

療養生活での衣装の楽しみは「パジャマ」なので、
たとえば友人からプレゼントされたパジャマを
次の着替えのとき見たいと思ったら見られるようになった。
ところが……
ある日、友人がプレゼントしてくれた上着のポケットに
広島カープの「カープぼうや」アップリケ付きの
ごきげんなパジャマを着て喜んでいた翌日のこと。
カープぼうやの上着と違うズボンをはいていたのだ。
下だけ汚れたので別のパジャマのズボンに交換したのだ。
うーん。
「パジャマは上下セットで交換してください」
と介護士さんに口頭でお願いした。が、数日後また同じことが起こった。
そこで、大島さんの登場。本日おちゃめなカードを貼ってきた。
さてどうなるかな。

大島理惠さんは昨年、『107小節目から』という作品で、
講談社児童文学新人賞佳作を受賞された。
本になるのが楽しみだ。




2018/01/06

『異人論序説』から始まった

20代のころから赤坂憲雄の文章が好きだった。始まりは初期の著作『異人論序説』(1985/砂子屋書房→ちくま学芸文庫)。本を作る仕事に携わるようになり、赤坂の仕事をつかず離れずの距離で読者として見守ってきた。
そんな赤坂憲雄先生と仕事をする機会が巡ってきた。
『食の民俗事典』(野本寛一編 柊風舎)のパンフレットに推薦文を寄せてもらったことが始まり。
その後「フィールド科学の入口」(玉川大学出版部)という10冊シリーズの編者をお願いすることになった。
「フィールドワークと学問」という切り口で、すでに6冊が刊行された。
佐藤洋一郎(植物遺伝学)、野本寛一(民俗学)、小泉武栄(自然地理学)、小林達雄(考古学)、白山義久(海洋学)、秋道智彌(人類学)と赤坂憲雄との対談や、各分野の研究者のフィールドワークの実際を紹介した論考などをテーマごとにそれぞれ1冊にまとめた。
近刊は石毛直道と赤坂憲雄による「食」をテーマにした1冊を予定している。
研究者が外に出ない、フィールドに出なくなったという話を聞いて久しい。たとえば、仮説を立ててフィールドに出かけると、仮説が崩される「事象」に遭遇してしまう。そこで論文をまとめることができずに、またあらたな仮説を立ててフィールドに出かける。本来「学問」とはこのくり返しのような気がする。これではいっこうに成果が上がらずこまったことになるか。

フィールド科学の入口『暮らしの伝承知を探る』野本寛一・赤坂憲雄編(玉川大学出版部)
装画は菅沼満子さんによる描き下ろし。10点になったら展覧会をやりたい。


暮らしの伝承知を探る_convert_20180124215218

2018/01/01

2018年始動

2018年が始まった。
1月からホームページで待望の新連載がスタートする。
昨年デビューした動物キャラスタッフ一同、真摯に「本作り」と向き合っていきたい。

年賀状_決定版
2017/12/31

ありがとう

あと少しで2017年が終わる。
ひとこと感謝のことばを伝えたい。
2016年の11月4日にパートナーが倒れてから、どれほどの人に助けられ支えられてきたのか。
一人では到底乗り越えることはできなかった。
ありがとう。
みなのおかげで18冊の本を作ることができた。
「Sola1冊の本プロジェクト」も継続していかれそうだ。
慣れないFacebook&Twitterもよろよろしながらだが……まあ続けよう。

パートナーが側にいてくれることは心強い。
毎日わずかな時間をいっしょに過ごす。
音楽をかけて、マッサージして、リハビリしながら。たいていは心のなかで話をしている。
考えがまとまらないことも語りかけることで整理されることもある。
がんばってくれてありがとう。

きょうは「ありがとう」しか浮かばない。
それぞれにとってよい年でありますように。

今年の6月9日わたしの誕生日に、高清水展望台から遠野盆地を眺める。
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