2018/07/02

わたしのマドンナ

パートナーが個室からもといた部屋に戻って2週間が過ぎた。
しばらく休みだったリハビリも再開。3週間以上起こせなかったが、
5分、10分と座る練習も始めた。

4月のある日、Kさんが事務所を訪ねてくれた。
パートナーが入院していることを共通の友人Sさんから聞いたと。
Sさんは昨年病院に来てくれたがあいにくすれ違いだった。
家が近所のKさんから病院に行ってもいいかと聞かれ、どんどん来てほしいと伝えたところ
言葉どおり「どんどん」来てくれるようになった。

在日韓国人2世のKさんは料理が上手だ。
手作りのキムチ、ナムル、煮卵など美味しい料理を差し入れてくれる。
朝からばりばりキムチを食べて、ボーッと火を吹きながらこの暑さを乗り切ることにした。

3人の子どもを女手一つで育て、建具の修繕までこなすスーパーウーマン。
真ん中の子どもが自閉症で、土日はその子が立てた休日プランをこなすべく「接待」に追われるという。

故郷に月1回くらい帰って、そこでもお兄さんや妹やお母さんの面倒をみている。

最近近所から近所に引っ越して、片付けに忙しいなか
先週は5日も病院に顔を出してくれた。
パートナーの腰の重い友人Yさんを「手作りご飯」で誘い出し、
駅まで車で迎えに行って連れてきた。
わたしは会えなかったが、また連れてくると。

パートナーは4人部屋の窓側にいるのだが、隣のベッドはよく人が変わる。
いまのお隣さんは病棟内でも「叫ぶ」ことで有名な小柄なNさん。
個室からもとの部屋にもどるとき、Nさんが隣人だと告げられ、正直きもちが重くなった。
都合がついたら変えてほしいと要望した。

彼女が病室に入ってくると、空気が華やぐ。
Nさんにも大きな声で明るく話しかける。
そんな対応があったのかと、わたしもまねしてみた。
Nさんはきちんとこたえるし、そんなに叫ばなくなったのは驚きだ。

「言いたいことがたくさんあるのよ」とKさん。

指に体重がかからない状態が続くと爪が厚くなり巻いてくる傾向があるので、
爪に圧をかけることを当初から気をつけてきた。
寝ている時間が長くなると、状況はなかなか改善されにくくなる。

「足湯はどうかしら」とKさん。

なるほど思いつかなかった。ベッドに座ることができるのだから、
もう1人手がある日に足湯はできる。
さっそく足湯バケツを購入した。
まだ体調を見ながら起こすタイミングをはかっているので、足湯は実行していない。
そのかわり、毎日手足を蒸しタオルで温めてホホバオイルでマッサージしている。
きもちよさそうな表情をする。

Kさんを「マドンナ」と呼ぶことにした。
マドンナの話を聞き書きしてみたい。

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マドンナが気にいった絵本。パートナーと一緒に2011年に作った。
『蝶の目と草はらの秘密』(ジョイス・シドマン文 ベス・クロムス絵 百々佑利子/藤田千枝訳 冨山房)
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