2018/05/19

せいちゃんはどこ

かこさとしさんが逝ってしまった。
ここのところ、「だるまちゃん」シリーズをとっかえひっかえ読んでいる。
てんぐちゃん、かみなりちゃん、うさぎちゃん、とらのこちゃん、だいこくちゃん、てんじんちゃん、やまんめちゃん、におうちゃん‥‥‥。
お友だちと楽しそうに遊ぶだるまちゃんをながめながら、『とこちゃんはどこ』(松岡享子作 加古里子絵)という絵本のことを思い出した。

とこちゃんは、赤い帽子をかぶった男の子。
お母さんやお父さんと、市場、動物園、海水浴、夜店、デパートといろいろな場所に出かけるのだが、おとながちょっと目を離してるすきに、とことこかけだして……どこかにいってしまう。
「とこちゃんはどこににいるのでしょう?」
子どものころ、わたしはこの絵本が好きだった。
『ウォーリーをさがせ!』に先駆け、びっしりと細かく描かれた画面からとこちゃんを探したり、そのほかさまざまなものをながめることももちろん楽しかった。
でもわたしが一番好きだったのは、
とこちゃんがとことこといってしまうその瞬間だった。

幼いころに住んでいた港区赤坂の近くに、ピーコックというスーパーマーケットがあった。
母に連れられ買物に行った記憶がある。
もちろんそのときは、とことこいなくなることはしていないはずだ。
とこちゃんのようにいなくなる勇気のないわたしは、この絵本と出会ってから、なぜかピーコックを舞台にとことこいなくなる自分を想像していた。

とことこと走り出す瞬間のわくわくする感じが好きだった。

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『とこちゃんはどこ』〈こどものとも傑作集〉(松岡享子さく 加古里子え 福音館書店刊)
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