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2018/02/18

〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻

わたしの枕元には、2016年11月にパートナーが倒れてからお守りのように〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻『苦海浄土』(藤原書店 2004年)が置いてある。挟み込みの月報1には鶴見和子、栗原彬、原田正純、緖方正人らの文章が載っている。寝る前にどこかを開いて数行読む。開いたまま1行も読まずにかぶって寝ていることもしばしばだった。この第2巻を含めて7冊がわたしの手元にある。
全集7冊は病で亡くなった友人から譲り受けたものだ。彼女は校正・校閲のプロでありフランス語の翻訳者でもあった。わたしが出版社に勤務していたころからずっと本作りを支えてくれた。彼女に翻訳をお願いした『にんげんが文字をつくってから』は、いまでも大好きな本の1冊だ。前半では人類が文字をつくりだしてから現在までの発展の歴史をわかりかやすく説明し、後半では世界のおもな言語圏の民話(中国、ロシア、アラビア、インド、ケルト)を豊富な絵とともに紹介している。現在は入手困難になってしまった。フランス語を学んでいる空のスタッフYと、復刊できないか模索している。
そういえばもう2冊友人から譲り受けた本があった。本棚を探したら出てきた。堀田善衛の『路上の人』(新潮社)、『ラ・ロシュフーコー公爵傳説』(集英社)。
ちなみにわたしが自分で持っていた石牟礼さんの本は『苦海浄土 わが水俣病』(講談社文庫)、『椿の海の記』(朝日新聞社)、『西南役伝説』(朝日選書)。『椿の海の記』がとくに好きだ。
 
〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻には、友人の書き込みと付箋を残したままにしている。
水俣の地で石牟礼さんの新作能「不知火」を見ることができたと彼女が話してくれたとき、まにあってよかったと強く思ったことを思い出した。

石牟礼道子さんが2月10日に90歳で亡くなられた。
石牟礼さんも友人もいないこの世界だが、書き込みと付箋の残った〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻は、わたしが読める間はいつでもずっとそばにいてくれる。

にんげんが文字をつくってから_convert_20180218235431

シュザンヌ・ビュキエ文・構成 エレーヌ・ミュレーほか絵 あわづひろこ訳 リブリオ出版 1992年



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