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2020/05/30

息をすって、名前を叫ぶ

5月27日
88日目。
1日おきの洗濯物受け渡し44回目。

4階の病室の窓がいちばんよく見える位置に
車を停める。
運転席の正面にモビールを飾った窓が見える。
もう3か月もモビールは同じまま。季節ごとにかえていたのに。

息をすって、名前を叫んだ。

5月28日
18時半から初のZoom会議。
わたしは参加するだけだからなんとか。
7人が画面に並んで、2時間半があっというまだった。
終わったあと、よくわからない爽やかな感じだった。
「なんだか人間に少し戻った気がします」
「好きなことで話ができる仲間がいるのは幸せなことだとあらためて思いました」


5月29日
90日目。
1日おきの洗濯物受け渡し45回目。

ロビーでライブの動画を見ている家族がいた。
うらやましくなる。

昨日夕方の動画を見る。
「ICレコーダの声を聴くと、
目がピクピクして表情がかわるんですよ。
もうしばらくすると左目から涙が……」
とベテラン看護師のIさん。
この前も左目から涙が出た。なぜだろう。

病院のHPに面会制限が「6月15日(日)」までと掲示されていた。
15日は月曜日だけど、もしかして14日(日)まで? 
受付の掲示は「6月15日(月)」。

受付スタッフとすこし話をする。
15日で終わるかどうかもわからないと。



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2020/05/25

路地に猫はよく似合う

5月25日
86日目。
1日おきの洗濯物受け渡し43回目。

ロビーで待っていると、主治医が通りかかる。

とくに変わりはありません。
先ほど会議で面会制限期間が6月15日まで延長になりました。
世の中が解除になっても、病院は慎重にならざるを得ません。
すでに入院の受け入れは動いているので。

もっともだ。
予測はしてた。
もしこのまま第2波がきてしまったら。

看護師のTさんが本日の動画を撮ってきてくれた。
お風呂あがりですこし顔が赤い。
土曜日の瞬き動画をあきもせずもう一度見る。

このところの台風は風の吹き方が予測できない。
自宅2階東側の部屋にシャッターをつけた。
天窓を外側から補強して、ガラスに透明遮熱・飛散防止フィルムを貼る。

夕方の散歩のとき、1本裏道に入ったら、猫の路地だった。
鉢植えが所狭しと並んでいる。
こんな路地が近くにあったのか。
パートナーは知ってたかも。

Fさんから「集合写真」の絵が届く。
IMG_0701.jpg

2020/05/23

忘れられてるかも

5月23日
84日目。
1日おきの洗濯物受け渡し42回目。

きょうはスロバキアの昔話「十二のつきのおくりもの」を読む。

4階は人手不足のようで「すこし待ってください」と。

ロビーに座っていると、洗濯物の受け渡しをする家族と看護師の会話が聞こえてくる。
「いつ終わるのでしょうね」
「今月末には開くかもしれませんね」
「もう忘れられてるかも」

看護師のIさん登場。

一昨日のリハ中、10分くらい目が開いて、呼びかけに顔を向けたと。
きょうは、残念ながら目は開かず。でも車椅子に30分のっていたと。

本日のリハビリ中にリハのNさんが撮ってくれた動画を見る。

車椅子にのったアップを2回繰り返して見る。
3回目も見たかったけれど、さすがに言い出せなかった。
瞬きしてすこし開けそうになる。

Iさんとしては、緊急事態宣言解除と同時だとやはり心配だという。
段階的に解除することになるかもと。
人数制限? 曜日制限? 
それでもいい。


2020/05/21

寒さがこたえる

5月21日
82日目。
1日おきの洗濯物受け渡し41回目。

ちょうどリハビリ中で、連絡ノートは一昨日のまま。
ICレコーダを聞いていたようなので、急いで交換。
早々に引き上げる。

フェイスシールド装着したリハビリスタッフとすれちがう。

5月20日を過ぎてのこの「寒さ」はこたえる。
1日おきに行っているのに、ICレコーダの交換をサボるときがある。

「またおんなじかあ」
「わるい、ゆるせ」

これからは1日おきに交換するから。
きょうはアリソン・アトリーの短いお話を読んだ。

このところジャズ三昧。
思いつくままに。夜、スマホで聴く。
トミー・フラナガン、ビル・エヴァンス、コルトレーン、マイルス、ケニー・バレル、
ホレス・シルバー、スタン・ゲッツ、クリフォード・ブラウン、
チャーリー・ヘイデン、チェット・ベーカー、デイブ・ブルーベック、
ポール・デズモンド、MJQ、ソニー・ロリンズ、
ウェス・モンゴメリー、デクスター・ゴードン、キャノンボール・アダレイ……
どれだけ高校時代に聴いたか。

ノラ・ジョーンズを遅ればせながら聴く。
2020/05/19

左目に涙

5月17日
78日目。
1日おきの洗濯物受け渡し39回目。

暑い。
母が軽い熱中症に。
自分のことはほとんど自分でする母のこと
もうすこし気遣わねば。

3月は時間がたつのがすごく遅く感じられ、
4月はあっというまだった。
5月はまた遅くなった。
いまのところ面会制限は5月末までだが、
いままでずっと延長になってきたから、
きっとまた延長かな、まだ無理かなという気持ちと
そろそろかな、という気持ちと。


5月19日
80日目。
1日おきの洗濯物受け渡し40回目。

涼しい。雨。

10時半のリハビリで、うなずくようすが見られたと。

声かけにうなずいてくれるとそれだけで嬉しくて嬉しくて。
またうなずいてくれるだろうか。

看護師のIさんは夜勤が多く顔をあわせるのは久しぶり。
タブレットを頼んでみる。
ライブは無理だったが、動画を撮ってきてくれた。

交換したばかりのICレコーダーをさっそく聴かせてくれた。
声が流れると目をシパシパとすると。シパシパ、シパシパ。

ん。左目に涙が。
「涙が?」
「そうなんです。さっきふいたのに。涙が」

いつもの散歩コースを、湿気を含んだ夕方の空気を吸って歩く。
マスクしているけど。

広場でキャッチボールをする子ども、家の前でシャボン玉を追いかける子ども……
川縁りの道はだれもいない。


2020/05/16

またひとつできた

5月15日
76日目。
1日おきの洗濯物受け渡し38回目。

タブレットOKとのことで、
待つことすこし。
電波状況がわるくモザイクがかかったあやしい動画のようで
よく見えない。
あきらめて動画を撮ってもらう。

目は開かなかったけれど、すこしだけお茶目な表情をした。
あまりに微妙だからわたし以外はわからないかもしれない。
わたしの錯覚かもしれない。
でもすこしだけそんな表情をしたのだ。

Nさんから小夏が届く。
「背中にいろいろなものがのっかっていて大変でしょうが、どうぞご自愛ください」
という励ましの言葉がありがたい。

宗定伯の「欺骗鬼的少年」という話を思い出した。
少年と幽霊がかわりばんこにおんぶしあうところが気に入っている。
絵本にしたいと思っている。


5月16日
気温が下がり雨。

ここしばらくスタッフは自宅勤務で、ひとりで事務所で過ごす時間が多い。

パートナーは事務所、わたしは自室で仕事をしていたから、
事務所でひとりでいることが慣れなかった。とくに夜は。

ふと気づくと、事務所で何時間か過ぎている。

病院に行かれなくなってから、久しぶりに「料理」をするようになった。
「料理」と呼べるようなものではないが、でも「料理」。
できなかったことがまたひとつできるようになった。

2020/05/13

ピンクのTシャツ

5月13日
74日目。
1日おきの洗濯物受け渡し37回目。

看護師が会議などで出払っていて
手がたりないよう。
Kさんは洗濯物をもち、連絡ノートを置き
「熱もなく変わりありません」」
と足早に立ち去る。

看護責任者のOさん、連絡ノートデビュー!
忙しいなかでの一言は嬉しい。

病棟の介護士を見かけたので、声をかけ
ノートを持っていってもらうよう頼む。
すこし立ち話。
床頭台の「アマビエ」に気づいたと。
最初「甘エビ」だと思っていてふしぎだったが、
最近ようやくわかったと。
「ネコビエ」の画像も自慢げに見せる。

夕方の散歩のとき、川縁りの道を歩いていたら、
向こうから小さな小さな犬を連れたヒトが。
チワワだろう。
思わず犬に向かって「小さいね」と話しかける。

飼い主らしきヒトが、
「社会勉強? 中なので触ってもらえますか」と。
喜んで。
4か月だと。震えている。これからだね。

「めずらしいじゃない」
と母に言われたピンクのTシャツ。
裾に黒猫が付いている。

パートナーが白地で黒猫が付いたTシャツを着ていて
「いいな」と言ったら、ピンクを買ってくれた。
「えーっ。白がほしかったのに」
「ピンクなんて着ないし」
と心のなかで言いながら、今日まで着なかった。
うすいピンクだからたまにはいいか。

1990年5月13日、結婚したことを思い出した。
2020/05/11

きょうはいい日

5月11日
72日目。
1日おきの洗濯物受け渡し36回目。

夏日。車の室温計30度。

ICレコーダ用にパートナーと一緒に作った『子ども寄席 春夏』
から「寿限無」「元犬」「あたま山」を読んだ。

午前にNさんのリハで、15分ベッドに座れたと。
痰も少なく良好。

ライブでタブレットが起動!
顔のアップが見られた。
介護のIさんがなぜか無言でアップを撮し続ける。
声かけにまぶたを動かすようすが見られた。
お風呂あがりで、顔が赤い。
きれいにしてもらっていい感じ。

満足して帰路に。
きょうはいい日。
2020/05/10

守宮よ守宮

5月9日
70日目。
1日おきの洗濯物受け渡し35回目。

高校時代にLPレコードで繰り返し聴いていた曲を
スマートフォンで簡単に聴くことができる。

きょうは、キース・ジャレット「マイ・ソング」。

5月10日

夏木立 みどり七色 枝たわむ

青嵐 両脇に猫 うでまくら

病室へ 守宮よ守宮 這いのぼれ




2020/05/07

病院が遠くなる

5月7日
68日目。
1日おきの洗濯物受け渡し34回目。

連休明けの病院はすこしワサワサしている。
きょうはお風呂に入ったと。

看護師Kさんがタブレットを持ってきてくれた。
このところタブレットの調子? が悪く、ライブでつながらない。

昨日リハのNさんが撮ってくれた動画を見る。
天気が悪く涼しかったので、外には出ないで2階リハ室へ。
車椅子に40分くらい乗って、4階に戻ってステーションの前で撮影。
髪はよりいっそう立ってヤマアラシのよう。
唇のガサガサが気になる。目は開かず。呼びかけに瞬きはある。

帰りがけに主治医が横切ったので声をかける。

職員と患者家族の接触も減らすようにとお達しが。
洗濯物を届ける回数を減らすように一応全員に声をかけていると。
一日おきに来ているのはわたしくらい? ほかにもいる?
「それはできません」と言ってしまった。
「いいと思います」と主治医。

目の状態が改善されない。
眼科を受診したいが、できない。
以前も目の状態がよくなって開くようになったことがある。
点眼薬は続けているようだが、よくならない。

がっくりと力がぬける。
このペースが崩れたら、自分を保てるかな。
弱気になる。

病院定位置のテーブルも椅子も
必ずアルコールで消毒してから座っている。

病院との距離が遠くなった気がした。
2020/05/05

端午の節句

5月5日
66日目
1日おきの洗濯物受け渡し33回目。

端午の節句。
隣家の庭木に小さな鯉のぼりが揺れていた。

双眼鏡送りましょうかという
ありがたい申し出に感謝。
もう外には出てこないから。

祝日の病院のロビーはだれもいない。
看護師も忙しいそうで、あっという間に
やりとりも終了。

連絡ノートにも新しい書き込みはなく、
一昨日の自分の書き込みのあとに、すこし書く。

夕方から猛烈な雨。
散歩はお休み。

仕事三昧。
ある原稿の中の以下のフレーズに下線をひく。
「おそらく、細菌やウイルスとの戦いは永遠に続くと思われますが、人間は自然の脅威を克服したと考えるのは傲慢であるということがわかるでしょう」

2020/05/03

最初で最後のサファリパーク

5月2日
夏のような土曜日、14時半に家を出て
病院の駐車場に向かう。

駐車場に入るために左折すると、
玄関ポーチに車椅子に乗ったパートナーの姿が見えた。
酸素ボンベとリハのNさんも。

玄関にできるだけ近いところに駐車して、窓を開けて車内からじっと見る。
遠目なのでよく見えないが、スポーツ刈りがよりいっそうのびて髪が立っている。
Nさんがタブレットで動画を撮ってくれている。
「けーさん、がんばれー」と叫ぶ。望遠鏡を持ってくればよかった。ないけど。

5月7日からさらに感染症対策が厳しくなり、病棟移動が禁止になる。
2階のリハ室や外に出ることはできない。

最初で最後のサファリパーク。

5月3日
64日目
1日おきの洗濯物受け渡し32回目。

久しぶりにベテランのIさんが降りてきた。
ずっと夜勤のようだ。感染予防のメガネ姿が見慣れない。

タブレットで、昨日Nさんが撮ってくれた動画と写真を見る。
外光がまぶしいのかしかめっ面をしている。
手足の指と爪のアップも。心配だった爪の状態は保たれている。

ライブがうまくつながらないようで残念。
「タブレットなんて」と思っていたけれど、
いまはタブレットで見られることがありがたい。
毎回見たいけれどなかなかそうもいかない。

宮沢賢治全集を引っ張り出した。
何話か録音してみるか。


2020/05/01

ネコビエ

5月1日
62日目
1日おきの洗濯物受け渡し31回目。

とうとう5月に突入。
汗ばむくらいの陽気。

ウラ綿起毛のパジャマはさすがに暑かろうと、
秋冬コレクションから春夏コレクションに一部衣替え。

中国人のRさんに、中国絵本の新刊と原書を渡す。
日本語の勉強になると。
縁あって中国の児童書や絵本を手がけるようになった。

Fさんからの「日々の絵葉書」は、ときたま封筒に入って届く。
葉書では刺激が強かろうという判断だったり、2枚いっしょだったり、
手描きのしおりや手作りコースターが同封されていたり。

IMG_0695.jpg

本日は到着した「ネコビエ」。Fさんのお連れ合い作。
ぜひとも原画を病室に飾りたい。
油断したら我が家の「た助」にかじられた。

遠くでサイレンの音が聞こえる。
今夜はボサノバでしょ。