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2020/03/30

だれもいない

だれもいない

30日目
1日おきの洗濯物受け渡し18回目。

昨日は14時過ぎに雪がやんでから、パートナーの長靴をはいてすこしだけ雪かきをした。
ふと気づくとザッザッと雪をかく音がしている。
隣家のお孫さんが我が家の前の雪をかいてくれていた。若者よ。ありがとう。

パートナーは雪かきがたぶんきらいじゃなかった。

病院の月曜日は慌ただしい。
事務職のスタッフが洗濯物を持って降りてきた。
看護師は手が離せないらしい。

連絡ノートにリハのNさんが撮った写真が2枚はさまっていた。
土曜日に車椅子でリハ室に行ったときに撮ったものだ。
目はつぶっている。髪がのびている。久しぶりだね。

しばらくノートに記入がなかった介護のIさん、忙しかったよう。
きょうは爪切りと爪のマッサージをしてくれたと。
お風呂にも入って、リハのTさんと10分ほどベッドに座ったと。

夕方、いつもの散歩コースから寄り道。
桜のトンネル。だれもいない。

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2020/03/28

現れず

28日目
1日おきの洗濯物受け渡し17回目。

先週の連絡ノートに、今週土曜日はあたたかければ車椅子で外に出るかもと。
午前中は曇りで薄日が射すことも。このまま14時半まで雨が降らなければチャンスはある。

14時半前に病院に到着。めずらしく受付が混んでいる。
受付をせずにしばらくロビーの定位置に座っていた。
各病棟から看護師や介護士が洗濯物を持って降りてくる。

同じ病棟で、毎日姿を見かける男性2人を思いだす。

2人ともお連れ合いが入院していて、面会制限が告げられた日、
ふだんは会釈程度だったが、思わず話しかけてしまった。
日々マッサージをされているようで「カタくなってしまわないか心配だ」と。

あの2人はどうしているだろう。

受付が空いたので、声をかける。
きょうは、体側と足元のピーチ(ポジショニングピロー)の換えを持ってきた。
枕を抱えてやってきた看護師に、リハは始まったか尋ねた。
いま車椅子にのってましたと。パジャマを持ってくるのを忘れたので、また来ると。

すこし風が出てきた。天気がもつか。

定位置からは、2台のエレベーターが見える。
左側が車椅子用。ピンポーンと到着音が鳴るたびに、エレベーターを見つめる。
ちがう、ちがう……ちがう。

現れなかった。
リハ終了時間を待って再び病棟に連絡。
連絡ノートも持ってきてくれた。

リハのNさんより。昨日微熱があり、天気も悪いので、外は断念したと。
きょうは痰もすくなく熱もないそうだ。
写真を撮って出力しておくと。

来週土曜日も待ってみよう。

外に出たら、雨が降り始めた。
2020/03/28

土曜日は雨

3月26日
26日目
1日おきの洗濯物受け渡し16回目。

柳瀬川岸に桜並木が連なっている。
柳瀬川のさくらまつりは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となった。
ふだんは18時から提灯が灯され、ぼうっとした灯りに夜桜が美しい。
2018年4月、病院で友だちになった彼女と八分咲きの夜桜の下を歩いた。
屋台も出ていた。肌寒かった。

あたたかさと満開の桜に、たくさんのひとが集まっている。

定位置で看護師とやりとり。
本作り空Sola刊の新刊、菅沼満子さんの絵本『まきばへ』を病室に置いてもらうよう渡す。
ICレコーダを交換。
コロナウイルスの状況と『まきばへ』と「あくびが出るほどおもしろい話」を読む。

「ここから北へ北へとすすんでいったある南の国に、
たいへんかしこい、ばかな男がすんでいた……」

しばらくロビーでぼうっとしていた。

3月27日
川岸に向かう散歩の途中、団地のなかや、関越脇の緑道などあちこちに桜が咲いている。
桜吹雪の下で、新品のランドセルを背負った1年生の写真を撮る姿が何件も見られた。

夕方から風が強くなった。
久しぶりにブリジット・フォンテーヌ「ラジオのように」を聴く。

土曜日は雨予報になってしまった。駐車場での遭遇は先延ばしだ。

先が見えなくなった。
2020/03/25

面会制限 延長

24日目。
1日おきの洗濯物受け渡し15回目。

北風が強く、寒い。
平日でも病院の駐車場は空いている。

面会制限が延長になった。
4月15日。

看護責任者が降りてきてくれ、
本日決定されたので、直接伝えたかったと。
気持ちが通じている気がした。

タブレットを2台用意してロビーで病室の患者とやりとりできるように
準備していると。病院の対応はありがたいのだが、なんだかツラくなりそう。

イランの画家さんが描いた「アマビエ」を病室に貼ってもらうよう頼んだ。
ペルシャ語の翻訳者のもとにメールで届いたものだ。

収束を願う。
2020/03/22

ソメイヨシノ、コブシ、白モクレン、ボケ、サンシュ……

22日目。
1日おきの洗濯物受け渡し14回目。

この暖かさで桜がいっきに咲いた。
しーんとした日曜日の病院。
看護師Kさんとは久しぶりだ。
車種はちがうが似たような色の車に乗っている。
家族が来なくて不安定になっている患者さんもいると。
みな寂しいのだ。

ICレコーダを交換。
新型コロナウィルスの国内状況を話してから、
アメリカ・ヒューストンで暮らすパートナーの友人Aさんからのメールを読み上げ、
春だから「うぐいすの里」を読んでみた。
Aさんは帰国すると病院に来てくれる。夏に帰国予定だったが……。

連絡ノートに、昨日40分くらい車椅子にのったと。
来週の土曜日、気候と体調しだいだが、車椅子で外に出るかもと。
チャンス到来。時間を見計らってロビーに潜んでいよう。

閑散とした駐車場に車を停めたまま、川辺をすこし歩いた。
ソメイヨシノ、コブシ、白モクレン、ボケ、サンシュ……
庭のサンシュも咲いていたな。
2020/03/21

プリムラの花

昨日が20日目だった。
1日おきの洗濯物受け渡し12回目。

祝日の病院はふだんにも増してがらんとしている。
定位置で待つ。
中国人の看護師Tさんが降りてきた。
体調は安定している。

あたたかい日が続いている。
きょうは調子がよければ車椅子にのっているはず。
病院の駐車場に降りてきて偶然会えたらいいのにな。

近所の運動公園を通り抜けたら、満開の菜の花のむせかえるような甘い香りが漂ってきた。
ソメイヨシノも咲き始めている。

イタリア・ボローニャ在住の画家さんと仕事を進めている。
外出も基本禁止でほんとにずっと家の中にいるそうだが、
薬局と食料品店だけはあいてるので なんとか暮らせていると。
窓の外をいちばんきれいな季節がとおりすぎていってるのが、なんともかなしいと。
プリムラが咲き始めたと。


面会制限になってから、倒れる前のパートナーの姿が立ち現れるようになった。

車を運転しながら手をあげて挨拶する姿、歩いている姿、ネコとじゃれている姿……。
また5月に家に帰ろう。
2020/03/19

雨音

雨が降り出した。

昨日が18日目だった。
1日おきの洗濯物受け渡し11回目。

定位置で待つ。
中国人の看護師Rさん登場。
急ぎの用事があるらしく
「またくるから」と言い残し
連絡ノートを置いて走り去る。

しばらくしてRさん戻る。
WeChat(微信)は、中国の企業が作ったLINEのようなアプリ。
以前からRさんと交換しようといっていたが、なかなかタイミングがあわず。
明日できるかもしれない。


当初の予測だと、最初の1週間がいちばんキツくて
だんだんと慣れてくるはずだった。
が、慣れない。

ちっとも慣れない。

体のなかに細かい砂粒が、毎日すこしずつたまっていくような感じ。
何をしていても心が晴れない。
病院に行かれない分、時間を有効活用すればいいのに、なんだかぱっとしない。

昨日は足湯メイトでもあるスタッフKに八つ当たりしてしまった。
ごめんなさい。


2020/03/17

1か月は長い

昨日が16日目だった
1日おきの洗濯物受け渡し10回目。

ブログを書かないまま、突っ伏して寝てしまった。

定位置に熱心に新聞を読んでいるヒトがいたので、
ソファに座って待つ。

中国人の看護師Tさんとやりとりする。
午後いちばんでお風呂に入ったと。
痰が多めですこし気がかりだが、まあいつものことでもある。

看護師Tさんは、面会制限を告げられた日、
心ここにあらずで病室にいたわたしに
「もうしわけありません、もうしわけありません」
とくりかえした。
Tさんのせいじゃないからといっても、
「もうしわけありません、もうしわけありません」
とまっすぐこちらを見てくりかえす。

1か月は長い。
2020/03/14

ここに住めること

14日目
1日おきの洗濯物受け渡し8回目。

いつのまにか雪になっている。

土曜日の病院は静かだ。
看護師とやりとりして、連絡ノートに返事を書く。
痰が多めだが変わりはないと。
交換のICレコーダには、コロナウィルスの状況などをすこし話してから、
東京子ども図書館の『おはなしのろうそく』から
「だめといわれてひっこむな」を読んだ。

9年目の3月11日が過ぎた。

2011年の震災の年は、8月に気仙沼の著者を訪ね、遠野に寄ったあと、
陸前高田市、大船渡市、釜石市、大槌町、山田町、宮古市、重茂半島、田老町を
駆け足で回った。

11月に南相馬市、相馬市、多賀城市、塩竈市、石巻を訪ねた。

その後、赤坂憲雄さんのご縁で、2015年から
奥会津の「ふくしま本の森」に関わるようになった。
*以下過去のブログの関連記事
2018/01/20「ふくしま本の森」
2018/02/03「奥会津 三島町の子どもたち」

日常業務と家族のことでいっぱいいっぱいになりがちで、
ここしばらく被災地からも「本の森」からも遠ざかったいた。

久しぶりに昨年末、本の森の遠藤さんと電話で話をした。
雪がとけたら、奥会津にいこう。

世界各地で新型コロナウイルスの感染拡大が続く3月11日。
面会制限や、それなりの閉塞感はあるものの、わたしはここに住める。

たまには散歩もできる。

散歩コースに「ゴールデントライアングル」(意味はちがうけど……)と名付けた場所がある。
ちょうど半分くらいの折り返し場所。
わたしと富士山と病院が三角形で結べる地点。

そこに立ち止まって空や山や建物を眺めることもできる。

『チェルノブイリの祈り』を読み返す。

2020/03/13

ふわっとした表情

12日目
1日おきの洗濯物受け渡し6回目。

きょうのロビーはがらんとしている。
定位置に座る。

担当看護師&介護スタッフとやりとりする。
日よって痰が多いこともあるが、体調は落ちついている。
連絡ノートを読む。
ノートにひとこと返事を書く。

ICレコーダーを交換する。
こぐま社の『子どもに語る日本の昔話』から
「古屋のもる」を読んでみた。
なぜ最初から気づかなかったのか。
録音している自分も楽しい。

介護のIさん、リハのNさん、Tさんが
今週もケア&リハビリに入ってくれている。
ありがとうございます。

帰り際、病院の玄関で、前の病棟の看護責任者とすれちがう。
このあたりの特養や老健などほとんど面会制限していると。
現在の看護責任者も通りかかる。きっと会議なのだろう。

ICレコーダーをパートナーの耳元で聞かせると
「ふわっとした表情になる」
わたしに会えたら伝えようと思っていたと。
ありがとうございます。

3月末で解除になるのか……不安がよぎる。

2020/03/10

看護師に化けたらしい

10日目
1日おきの洗濯物受け渡し5回目。

昨晩夢を見た。
病院の廊下を看護師が押しているカート(ワゴン)を押しながら歩いている。
カートには、体温計、ガーゼ、薬、アルコール綿などが積まれている。
どうも看護師に化けたらしい。
病棟の廊下を進んでいくと、パートナーがストレッチャーにのせられて廊下にいた。
近づこうとすると、見たこともない看護師が
「ここで触れたら二度と病棟に入れなくなるから、離れなさい」
と叫んでいる。
「そうだ」
と思い、引き返したところで目がさめた。

雨が降ったりやんだり。
定位置には話をしているヒトがいたので、
別の場所で待つ。

担当看護師とやりとりして
連絡ノートを読む。
ノートにすこし返事を書く。
介護のIさんがCDをかけながら髭をそってくれた。

ちょうどNさんリハビリ中のようだ。 
駐車場から病室の窓をしばらく眺める。
見えないよね。

2020/03/08

最初の1週間が過ぎた

8日目
1日おきの洗濯物受け渡し4回目。

最初の1週間が過ぎた。
日曜日の午後、病院の駐車場は閑散としていた。
雨はあがっている。
ロビーにもヒトの気配がない。

ここしばらく月に一度Solaで作品検討会をおこなっているHさんが同行。
いつもなら検討会のあと足湯をいっしょにやってくれる。

リハのNさんと昨日は車椅子に乗ったと。
連絡ノートに返事を書いた。

ICレコーダーに名前を連呼するのはやめて、ふつうに仕事の話をした。
Hさんの作品も読んでみた。
次回は昔話を読んでみよう。

交代のICレコーダーとCD3枚を担当看護師に渡す。

急性期の病院にいたころ、妹が言っていたことを思い出した。
「けーさんは別のヒトになった」
倒れる前が「けーさんA」だとしたら、倒れたあとは「けーさんB」になったと。
なんだか藤子不二雄みたいか……いやちがう。
そのときはよくわからなかったが、いまはわかる。
「けーさんB」とわたしは新しい関係を築いている。
五感を研ぎ澄ませば、発見がある。
わたしが鈍感だと気づけない。
たまに「けーさんA」が懐かしくなることもある。
2020/03/07

ひとりじゃない

6日目
1日おきの洗濯物受け渡し3回目。

病院の受付は名乗らずとも顔パス。
定位置にスタンバイ。
ロビーには、同じ病棟の家族らしきヒトの姿があった。

主治医の姿が見えたので、挨拶する。体調に変化はなく落ちついていると。
介護士が洗濯物を持ってエレベーターから降りてきた。
こちらからも渡す。
本日の担当看護師にようすを聞きたいと頼む。
担当看護師が降りてきた。
発熱もなく36℃台で推移。
昨日入浴したと。

連絡ノートを確認。
介護Iさん、リハNさんとTさんの記録をスマホで撮影。
繰り返し読む。

Iさんには爪のケアをお願いしたが、それ以外のケアもおこなってくれていた。
なんとCDまでかけてくれている。
2月最終日にジャマになるだろうと大量のCDを持ち帰ったが、
すこし持ってこよう。

リハのNさんとTさんは、リハビリ日を調整してくれて、火木土で入ると。
火曜日と木曜日のリハ時のようすがわかった。
目はあまり開かないが、しっかりベッドに座れている。
ICレコーダーの声を聞いているようすがみられると。
新しいメッセージがあるといいとのこと、
明後日もうすこしマシな「声」を届けよう。

ノートに書かれた文字、担当看護師の表情や声、
そして洗濯物越しにパートナーのようすが立ち上がってきた。
ひとりじゃないと。

毎日パートナーの口腔ケアに使用しているガーゼ、
ここ3年月に一度くらいドラッグストアで買っている。
今月は使わないけれどすこし補充しておこうと、
ドラッグストアに寄ったところ、棚が空っぽだった。

ガーゼもない。

2020/03/04

4日目 残り27日

1日おきの洗濯物受け渡し2回目。あと13回。

病院の駐車場はふだんと変わらない台数の車が停まっている。
全部スタッフの車ということか。
わたしが来る来ないに関わらず、病院の日常は回っている。
あたりまえのことに納得する。

前回と同じ場所で待つ。
ここを定位置にしようと勝手に決める。

きょうは担当ではない看護師だったので、
詳細は聞けず。

「スタッフのみなさんはお元気ですか」とまだ4日しかたっていないのに
ずいぶん時間がたった気がしてマヌケな挨拶をする。

エレベーターに向かう後ろ姿に
「明後日きます」と呼びかけ「お待ちしています」と返ってきた。

洗濯機に入れようと袋から出したパジャマの上に、猫がのった。
2020/03/02

2日目 残り29日

1日おきの洗濯物受け渡し1回目。あと14回。

いつもの面会時間よりすこし遅めに病院の駐車場に到着。
駐車場から病室の窓が見える。窓にモビールを飾っているからすぐわかる。
半分カーテンが閉まっている。開けてもらわなきゃ。

受付に申し出て、1階のロビーで待つ。
恒例の雛飾りを眺める。

介護士が洗濯物を持ってエレベーターから降りてきた。
こちらからも渡す。
本日の担当看護師にようすを聞きたいと頼む。

担当看護師と先ほどの介護士が2人で降りてきた。

昨晩の夜勤帯に37.5℃。
昨日は気温が高かったこともありおそらく体を動かしていないので、
熱がこもったのだろう。
今朝方は36.6℃、血圧も通常。
きょうの入浴はなかったと。パジャマの交換は1日おきに頼んでいる。
渡したケアメモを手にしていた。マーカーが引いてある。

病院にいるのだから、毎日行く必要もないし、
心配することはないと言うひともいる。

パートナーは自分で体を動かすことができない。
じっと横たわっているだけ。
でも、こちらから働きかけて動かせば、伸びをしたり、口をもぐもぐ動かしたり、
くすぐったそうな表情をしたり、ときには目を開けたり、うなずいたりもする。

療養生活におけるクオリティオブライフQOLをいかに保つのか。
ケアもリハビリも日々の積み重ねしかない。

「面会制限解除」
と書かれたA4の用紙を読んでいる。
「ああ、なんだ以外と早く解除されたんだ」
と思っている。
夢だった。

わたしが毎日会いたいのだ。

ブログを公開している以上、どんな「読み方」や「使われ方」
をされるかはわからない。
SNSが犯罪捜査や攻撃の材料になることもあるだろう。

このブログは、おもにパートナーを遠くで案じている人に向けて
綴ってきた。自分の気持ちを整理することもある。
これからもそれは変わらない。


2020/03/01

洗濯物でつながる

26日、いつもよりすこし遅くなり急ぎ足で病院の受付について、
アカベタに白ヌキ文字が目に入った。
「新型コロナウィルス対策による面会制限のお知らせ」

さらに黄色ベタに青字で
「面会制限を2020年3月1日(日)開始」

その下に赤字で
「注意:当面1ヶ月を予定。解除の場合はこちらからご連絡いたします」

スミ文字もうようやく目に入ってきた。

「新型コロナウィルスの蔓延防止のため、院内での感染防止対策の強化として
面会の制限を実施いたします。
ただし、病棟からのご連絡があった場合は除きます。
※着替えの受け渡し・入院会計は1階受付で対応させていただきます」

現在の病院に転院したのが、2017年1月。出張で1〜2日行かれないことはあったが、
「病院に行く」ことはわたしの日課だ。
出張時も、友人や知人が行ってくれたので、「家族」がだれも来ない日はなかった。

取り乱した。
日々のリハビリは? ケアは?
31日間もしくはそれ以上会うことができない?
命はつなげるけれど…… 
3月1日まであと4日。

夜、すこし冷静になって、病院の対策はやむを得ない、
患者を守るには当然のことだとアタマではわかった。

気持ちがついていかない。

じっと動けない体で、ずっと待っていたら? 

病棟の看護責任者、リハビリの担当者に手紙を書いた。
家族が日々おこなってきたケアやリハビリをできるかぎりお願いしたいと。

気にかけてくれている介護士にも手紙を書いた。

すこし落ちついた。

看護責任者から「毎日電話をかけてこられる方もいらっしゃるのでどうぞかけてください」
と言われたが、電話はだめだ。
洗濯物だ。
1日おきに洗濯物の受け渡しに行く。
病棟からその日の担当看護師が1階に降りてきてくれるから、ようすも聞ける。

リハビリの週3日は継続されるので、
できるだけ詳しく連絡ノートに書いてもらうようリハの担当者に頼んだ。
週1回、連絡ノートを持ってきてもらえば、1週間のリハビリのようすもわかる。

乗り越えられる。

29日、4年に1回のこの日に、友人がいっしょに病院に行ってくれた。

いつもより早めに行き、ベッド上で軽く体を動かしたあと、車椅子に移る。

足湯と手湯をしっかり、お湯のいらないシャンプーで頭髪のマッサージ、
髭剃り、鼻毛切り、口腔ケア、爪のケア……
2人がかりでピカピカになったけれど、本人はぐったり。

帰り際に、ICレコーダーに声を入れた。
気の利いたことは何も言えず、ただ名前を連呼するだけになってしまった。
ありのままでいいか。
リハビリ時に聞かせてください。

この4日間「来ないのではなく、来られないんだ」「面会禁止」
「来られるようになったらすぐ来る」
とくりかえし伝えた。

収束を願う。