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2019/07/20

あしたのために

明日は参議院議員選挙の投票日。
パートナーは国政であれ地方選挙であれ、投票を欠かしたことはなかった。

「あしたのための本」(4冊)が宇野和美さんの訳で
あかね書房から刊行(7月中旬発売)された。
本作りSolaが企画・編集・制作を担当したこの絵本との出会いは、昨年2月のことだった。

病院通いが日課になってから、催しなども厳選して出かけるようになった。
2018年2月9日「イスパニカ文化経済交流協会」主催のセミナー「子どもの本づくり 今とこれから」に参加した。
スペイン語翻訳者の宇野和美さんのSNSを見て、スペインのバレンシアで個性的な本づくりを20年以上続けているメデイア・バカ社のビセンテ・フェレルさんのお話(通訳:宇野和美)を聞いてみたかったし、久しぶりに宇野さんに会いたかった。
メデイア・バカ社は少数精鋭、刊行点数は年に3点くらいとのこと。ボローニャ国際児童図書展でラガッツィ賞を受賞するなど海外での評価も高い出版社だ。じっくり時間をかけたこだわりの本づくりを継続するのがどれほど大変なことか、すこしは想像できる。

会場に展示されていた「あしたのための本」4冊の原書を見て「日本で出したい」と思った。
原書をミフラン洋書店(スペイン語の子どもの本専門ネット書店 店主:宇野和美)で
購入した。
あかね書房の榎一憲さんのおかげで、この4冊を日本の読者に届けることができた。
ありがとうございます。

もともとこの「あしたのための本」の4冊は、40年近く続いたフランコによる独裁政権が終わり、スペインが民主主義への第一歩を踏みだそうとしている1970年代後半に出版された。
自由な社会へと変わりつつある時代の最中、これから自分たちが目指しつくっていく「あした」はどんな社会なのかを若い読者に考えさせようとした意欲的な本だったという。その4冊シリーズを、2015年メディア・バカ社が、文章はそのまま新しい絵をつけて復刊した。
イラストはどれも個性的で、各巻それぞれ趣きが異なるのもこのシリーズの特徴のひとつ。それぞれの画家が自分が考えた内容を自由に絵にしている。
2016年にボローニャ国際児童図書展でラガッツィ賞ノンフィクション部門の最優秀賞を受賞したのち、ロシアやポーランド、ポルトガル、フィリピンで翻訳出版されている。

遠いむかしのどこかの国の自分には関係のないことじゃない。
いまの日本に生きるわたしたちひとりひとりが考えることがたいせつなのだと。
「あしたのための本」は語りかける。

4冊のうち2冊は、4C分解ではなく、特色で刷られている。
スペインと日本では紙もインクも機械もちがうため、原書にちかい色を出せるか心配だった。
印刷所の頑張りでキレイな仕上がりになった。

日本語版の巻末には、各テーマの専門家によるオリジナルコラムが掲載されている。
「民主主義」は政治学者の宇野重規さん、「独裁」は社会学者の佐藤卓己さん、
「社会格差」は社会学者の橋本健二さん、「女と男」は社会学者の金野美奈子さん。
みなさん、すばらしい原稿をお寄せくださった。ぜひ多くの人に絵本とあわせて読んでほしい。

わたしたちがつくらなければ、あしたはこない。

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あしたのための本
プランテルグループ 作/宇野和美 訳
あかね書房

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