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2018/02/24

絵本を深く読む

夕日の向こうの国にいる灰島かりさま

片山健さんから『絵本を深く読む』読後雑感の葉書が届きました。

片山さんハガキ


思い出すよね。聖路加の病室で「カバーどうする?」って聞いたら「大好きな片山健さんの絵がいい」ってさらっと言ったこと。トムズボックスの土井章史さんにお願いして、土井さんが所有されている片山健さんの絵を数点お借りした。
絵をスキャンして、病室で見せたよね。すこし迷ったけど、最初にいいなといった絵に決まった。大特急で辻村益朗さんにデザインしてもらい、病室に持っていったよね。タイトル色が地味だとか、背景の色が暗いだのとあれこれ言って議論になったよね。かりんとらしいなあ。初校、再校、三校、念校と進めば進むほどアカ字が多くなる傾向があったでしょ。聞いてますか。そう、最後まであきらめない。
『絵本を深く読む』はそうならなかったから……不満かもね。

「『まどのそとのそのまたむこう』が『絵本を深く読む』中の白眉でしょう」と片山さん。
そうそう『週間読書人』に三辺律子さんが書評を書いてくれていて「もうひとつ注目すべきは、現代絵本作家の巨匠モーリス・センダックによる『まどのそとのそのまたむこう』論だろう」と。『まどのそとのそのまたむこう』論、人気あるねえ。

ほんじゃまたね。

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灰島かり『絵本を深く読む』玉川大学出版部
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2018/02/18

〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻

わたしの枕元には、2016年11月にパートナーが倒れてからお守りのように〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻『苦海浄土』(藤原書店 2004年)が置いてある。挟み込みの月報1には鶴見和子、栗原彬、原田正純、緖方正人らの文章が載っている。寝る前にどこかを開いて数行読む。開いたまま1行も読まずにかぶって寝ていることもしばしばだった。この第2巻を含めて7冊がわたしの手元にある。
全集7冊は病で亡くなった友人から譲り受けたものだ。彼女は校正・校閲のプロでありフランス語の翻訳者でもあった。わたしが出版社に勤務していたころからずっと本作りを支えてくれた。彼女に翻訳をお願いした『にんげんが文字をつくってから』は、いまでも大好きな本の1冊だ。前半では人類が文字をつくりだしてから現在までの発展の歴史をわかりかやすく説明し、後半では世界のおもな言語圏の民話(中国、ロシア、アラビア、インド、ケルト)を豊富な絵とともに紹介している。現在は入手困難になってしまった。フランス語を学んでいる空のスタッフYと、復刊できないか模索している。
そういえばもう2冊友人から譲り受けた本があった。本棚を探したら出てきた。堀田善衛の『路上の人』(新潮社)、『ラ・ロシュフーコー公爵傳説』(集英社)。
ちなみにわたしが自分で持っていた石牟礼さんの本は『苦海浄土 わが水俣病』(講談社文庫)、『椿の海の記』(朝日新聞社)、『西南役伝説』(朝日選書)。『椿の海の記』がとくに好きだ。
 
〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻には、友人の書き込みと付箋を残したままにしている。
水俣の地で石牟礼さんの新作能「不知火」を見ることができたと彼女が話してくれたとき、まにあってよかったと強く思ったことを思い出した。

石牟礼道子さんが2月10日に90歳で亡くなられた。
石牟礼さんも友人もいないこの世界だが、書き込みと付箋の残った〈石牟礼道子全集 不知火〉第2巻は、わたしが読める間はいつでもずっとそばにいてくれる。

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シュザンヌ・ビュキエ文・構成 エレーヌ・ミュレーほか絵 あわづひろこ訳 リブリオ出版 1992年



2018/02/10

「起こせるヒト電波」

パートナーの入院している病棟では、ほぼ毎月誕生会をやる。パートナーは12月生まれだから昨年12月に祝ってもらった。去る1月のある日、いつものように病室にいたところ、病棟の介護士さんが1月の誕生会をエレベータホールの広いスペースでやるので「車椅子乗りますか」と声をかけてくれた。
介護さんに車椅子に乗せてもらい、酸素ボンベを持って誕生会に参加した。
みなが歌を何曲か歌ったところで、少しようすが変わったので部屋に戻った。
4病棟に移って1年が過ぎ、病棟の介護士さんが自ら申し出てくれたことは本当にうれしかった。
リハビリの理学療法士さんには、体調が安定していれば毎週車椅子に乗せてもらっているが、介護士さんが乗せてくれたのは初めて。パートナーは「思ったよりしっかりしていた」と介護士さん。もっとずっと乗せるのがたいへんかと思ったが、以外と安定していたと。これも毎週車椅子に乗せてもらってきたおかげだ。
出張のとき以外ほぼ毎日病院に行っていると、いろいろなことが見えてくる。
看護師さんや介護士さんがどれほど激務かということも。
担当の理学療法士さんに介護さんが乗せてくれたことを話すと、いい兆候だという。
リハビリ側から病棟に「わりと安定しているので乗せてみてください」と言ったとしても
なかなか実行は難しい。本来の仕事だけで目一杯ななかで、よぶんな仕事に割いている時間はない。ないのはあたりまえと思う。
4病棟に来てから、車椅子に乗るときはできる限り同行している。車椅子への移動はできないが、ベッド上に起こすところと、戻ってきてベットに座った状態から寝かせるところはわたしがやる。
もう1人くらい介護さんが車椅子を実行してくれたら、病棟に「起こせるヒト電波」というか、なんとなく「起こせるヒトかも」という「雰囲気」のようなものが自然にできて、そのタイミングでわたしが「ひとりでベッド上に起こしていいですよ免許皆伝」になれば、車椅子に乗れる回数が少し増えるかもしれない。
また1年もしくはそれ以上かかるかもしれないけれど、日々あきらめないこと。
言葉ではなく行動で示すことがどういうことかを、少し感じている。
ヒトを動かすチカラってなんだろう。

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病院の1階に飾られた雛人形








2018/02/03

奥会津 三島町の子どもたち

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三島町町民センター図書コーナー「ゆめぽけっと」内「遠藤太禅・キヨ記念文庫」にて。
三島小学校3年生〜6年生の子どもたちと。

ふくしま本の森の代表を務める遠藤由美子さんは、奥会津の三島町で日本一山奥にある出版舎・奥会津書房を営んでいる。遠藤さんのご実家は西隆寺という曹洞宗のお寺だ。ご縁あって遠藤さんのご両親のお名前を冠した「遠藤太禅・キヨ記念文庫」の選書をキラキラ読書クラブでお手伝いすることになった。ブログでも紹介した『幼い子どものための絵本100冊』に加え『キラキラ読書クラブ 子どもの本702冊ガイド』(玉川大学出版部)から600冊以上とそのほか昔話集などを選んだ。三島町役場に設置された図書コーナー「ゆめぽけっと」に「遠藤太禅・キヨ記念文庫」はある。
昨年11月にキラキラ読書クラブのメンバー2人といっしょに「遠藤太禅・キヨ記念文庫」を訪ねた。
三島小学校の校長先生、三島保育所の所長さん、三島町役場のみなさんのご厚意で、子どもたちと交流する場を設けていただくことができた。
以下が2日間のプログラム。

11月8日(水)
★三島小学校1年生と2年生
お話「ねずみじょうど」
絵本の読み聞かせ『うさぎのみみはなぜながい』
お話「かしこいモリー」
お話「メアリーさんとブラウンさん」

★三島小学校3年生〜6年生
お話「三まいの鳥の羽」
絵本の読み聞かせ『としょかんライオン』
お話「ぬか福と米福」

11月9日(木)
★三島保育所児(2歳〜6歳)
わらべうた
小さい人向け 絵本読み聞かせ『てぶくろ』
中くらいの人向け 絵本読み聞かせ『どろんこハリー』
お話「くまさんのおでかけ」
お話「世界でいちばんきれいな声」

三島町の子どもたちは、とてもよく聞いてくれた。
子どもと接する機会がめっきりなくなったわたしにとって、まさに至福の時間だった。
パートナーのことがあるので、家をあけるには周りの人の助けが必要だ。
みなのおかげで楽しい時間を過ごすことができた。

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三島保育所の子どもたちとわらべうた「さよならあんころもちまたきなこ」でさよなら。

先日遠藤さんからうれしい便りが届いた。

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昨年の三島町「ゆめぽけっと」でのイベントをきっかけに、小学校の読書の時間(10分)を、時々いただけることになりました。……楽しい10分間を作りたいと考えています。
ブログに書いておられる「楽しむための読書」を目指します。
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いま、三島町は雪景色だ。春になったらまた奥会津にでかけよう。本の企画も動きだしそう。
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