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2022/10/06

4日間のこと

10月6日

啓治が亡くなってひと月以上が過ぎた。

お気持ちを寄せてくださったみなさま
ありがとうございます。
あらためてお手紙いたします。

2016年11月4日に倒れてから、記憶のない空白の半年をへて
ブログを書き始めたのが2017年7月29日。

すでに混濁している。
亡くなってからの4日間を遡っておきたい。

9月3日
携帯を枕元に置いて一夜明けた。

なぜかこのタイミングで2日前からぬか漬けを復活。
ATMで現金をおろしてから、足しぬかと唐辛子を買いに近所の乾物屋スーパーへ。
小規模だが、品揃えがいい。
店を出たところで、昼まえに病院から着信。
「尿が出なくなってきた」
「血圧が70をきることが増えている」
「2、3日の可能性ある」
すぐにMさんに電話。続いてHさんに電話。
14時半に駅でMさんを乗せて病院へ。
15時まえに2人で病室にはいる。
呼吸は浅いが、昨日と大きな変化はない。
手をしっかり握り、声をかける。
最初に右目を、わずかに左目も開ける。
「ナニモシンパイイラナイ」
「イッショニイエニカエロウ」
「マッテルヨ」
この15分は1秒でもあり永遠でもあるように感じた。

家に戻り、
「きょうは泊まるつもりできた」
というMさんとお茶を飲む。
16時48分、病院から着信。
病棟のナースから
「心臓が弱くなってきたので、すぐに来てください」

病室に入ったのは、17時わずかに回っていたか。
すでにモニター上で心臓は停止。
たったいまだったと。

あたたかい。眠っているような穏やかな表情。
医師による診断「17時17分死亡」後、
いましばらくいっしょにいる。

管を外して楽になろう。
おろしたての空色のスタンドカラーのパジャマに着替えよう。
袖を通さないで逝ってしまった。

支度をするあいだ、ロビーに降りる。

生活クラブ生協の葬送サービスに連絡。
プランはすでに決めていたので、自宅に戻るための迎えを手配。

Hさんに連絡。居間のソファーを動かし、布団の準備などを頼む。
スタッフKに連絡。

Mさんがお花を手配。明日すぐにお花がないと寂しいからと。

病室に置いてあった荷物を車に積む。後部座席がうまるほど。
若いナースが抱きついてきた。

支度が整い霊安室に移動。
すみずみまできれいになり、気切が外れたので首まわりがすっきりして、
スタンドカラーのボタンが一番上まで止められる。
Mさんがさらに耳の後ろをきれいにするなど磨きをかける。

19時半過ぎに迎えの車が到着。
当直のドクター、日勤と夜勤のナース3人、爪のケアをしてくれてた介護のSさんが
見送ってくれた。

駐車場で、リハビリの責任者Aさんに遭遇。お礼とお別れ。

先導して家路につく。

家に到着。猫らを2階に閉じ込める。

木戸をあけ、庭を通ってガラス戸を開け居間に入る。
啓治が帰ってきた。
2019年5月15日の一時帰宅以来。

おかえり。

布団に寝かせて、枕飾りを設置。
無宗教で葬儀はおこなわず、限られた人数で火葬。
たくさんのお花。

室温を19℃に設定と指導が入る。
あたりまえだがエアコンにそんな設定温度があったのかくらい寒い。

Hさんが用意してくれた遅い夕食をMさんととる。

Mさんが隣家の寝室に休みにいってから、
猫らが降りてきた。

しんしんと冷えた居間で、啓治と猫とわたし。

啓治の首筋がまだ温かい。


9月4日

午前中は、葬儀社と打ち合わせ、
来客に備えた片付けと準備など。
Fさんが一番乗り。
お花が届きはじめる。
午後から、啓治の友人、仕事仲間、近所のヒト、夜間中学の仲間が
会いにきてくれる。
「おまえらホントによく食うな」
ときっと思っているだろうな。
久しぶりの賑わい。

Mさんが一度自宅に戻り、着替えとステキなアレンジを携えて戻ってきた。

静かになった居間の花畑のあいだで、猫らがかくれんぼ。
お花のまわりでおどろよおどろよ♪
輪になっておどろ♪ みたい。


9月5日

納棺の準備。納棺師が身支度を整えてくれる。
表情は安らかで眠っているかのようだった。
肌の状態もきれい。
立ち会った仲間たちが代わる代わる体を清めてから
啓治を棺に納める。
作った本、夜間中学の通信、病室にいたスライリー、
病室の窓に飾っていたモビール、ずっとかけていたタオルケット、
若いころの細身のスーツ、酒、赤塚不二夫の手ぬぐい……
副葬品を入れる。花は明日出棺の前に。
棺の蓋は閉めずに、開けたままで。

啓治の写真をMさん、Fさん、スタッフKが準備してくれる。
封印していたアルバムなどが白日の下にさらされる。

Mさん3泊目。
猫らがすっかり懐く。
枕飾りの前の座布団を占拠、棺をのぞき込んだりも。


9月6日

8時半にお花を入れて、出棺の準備。
たくさんのたくさんのたくさんの花に包まれて
美しい棺だった。

Fさんも3日間通いで来てくれ、最後に
「ともさんが迎えにきているから」と
4月に先立った外猫とものために、
猫餌と猫草を入れた。
Mさんが庭木の葉を入れた。

Hさんは4日間寄り添ってくれた。

9時に出棺。
霊柩車と葬儀社の車で葬祭場に向かう。

雨は上がり、青空が広がる。
太陽が眩しいくらい。

告別ホールで最後の対面後、
棺が火葬炉に入っていった。

11時過ぎ、骨を壺におさめる。
ずっしりと重い。

みなで昼食をとって、家に戻る。
啓治にもビール。

居間に後飾りを設置。
ろうそくと線香と写真、焼酎と日本酒。
お花もまだまだたくさん。

2階に山積みになっていた病院から引き上げた
荷物を、Mさんと連れ合いのYさん、Fさんが
片付けてくれる。
見ると悲しくなるモノばかりだったからありがたかった。


みなが帰った晩、ろうそくの灯に照らされて、
啓治の前の座布団に猫2匹。

ふしぎな安心感に包まれた。

啓治はこれからずっと家にいる。
痛みはない。

死は解放。

11月初めに粉骨のために2週間くらい留守になるが、
その後はずっと家にいる。

来春、船をチャーターして尾道の海に散骨する。

手元にも小さな陶器の壺とペンダントに入れて、
これからもずっといっしょ。

いつでも会いに来てください。













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2022/09/03

2022年9月3日17時17分

2022年9月3日17時17分

檀上啓治が亡くなりました。
66歳。

いままでこのブログを読んでくださった方々に感謝します。
ありがとうございました。

いずれまた。



2022/09/02

再び面会に

9月2日

台風も前線も停滞。
雨が降ったりやんだり。

きょうの3曲。

Streets of Philadelphia:ブルース・スプリングスティーン
Handle In The Wind:エルトン・ジョン
Miss Sarajevo_Live:パバロッティ、ブライアン・イーノ、ボノ

14時半過ぎに車を家の車庫から出したところで、主治医から着信。
「これから向かいます」

「熱がなかなか下がらない。昨日40℃まであがる」
「飽和度はたもっているが、血圧が安定しない」

本日のレントゲン画像を見る。
「左肺は膨らんできて、肺は見えるようになった。胸水はぬけてきた」
「左肺の上部と右肺の上部にあらたに肺炎の影あり」

「肝臓と腎臓の数値があがっている」
「炎症反応もあがっている」
「痰がかなり多い」
「尿は出ている」

「脳のCTは、入院時と変わらない」

「全体に細菌がまわってしまっている可能性あり」
「中心静脈カテーテルはいったん抜いた。状況によっては週明けにまた入れるかもしれない」
「抗生剤を別の種類に本日から変えた」

主治医と話しているときに、病棟から内線が入る。
血圧が74まで下がる。

入院時に、人工呼吸器や昇圧剤は使わないという話をしたが、
血圧をあげるために、このタイミングで昇圧剤を使うことに同意。
いずれにせよ長くは使えない。

この治療でようすをみる。

主治医との話が終わり、看護師から洗濯物を受け取ろうとしたら、
「本日、パジャマの着替えができませんでした」

「せめて清潔なパジャマを……」と
若いナースに強いことばを返してしまう。
涙が出てきた。
八つ当たりだ。冷静になればわかること。
すこし落ちついたら着替えをと頼む。

パジャマを洗うことくらいしかできないから?
パジャマを持って帰れないことがやりきれなかった。

ノートにリハのNさんから。
「昨日は発熱でリハビリは中止。またようすをみて再開する。
24日の窓越し面会に、車椅子でもベッドでも立ち会う」
ありがとうございます。

MさんとHさんに「よくない」と文字を打つ。

家に戻り、パソコンの前に座ることができず、
夕飯の支度をする。
母に届けて、着替えて散歩に出る。

Hさんが家の前で待っていてくれた。
話をしていたら、病院から着信。

スピーカーフォンにして、主治医の声を聞く。

「血圧はあがってきたが、酸素飽和度が下がってきた。
呼吸が浅くなっている。部屋を移動した。
厳しいかもしれないので、いまから来るか。
今後夜間も連絡するかもしれない」

いっしょに行こうかというHさんの言葉にすがる。
歩いて家に戻り、着替えてHさんと病院へ。

Hさんはロビーに待機、一人で病室にあがる。

熱は38℃くらい。顔は熱っぽく赤みがあるが、
アタマは冷やしつつ、手足が冷たいので、電気毛布をかけていた。

血圧はあがっている。

声をかけると、わずかに目を開けて「あっ、来た」という反応。
目やにをアイ洗浄綿で拭き取る。
呼吸が浅い。

冷たい右手を握り、もう片方の手でアタマや顔や肩をさする。
ナニモ心配イラナイ
イッショニカエロウ

15分経過。

昇圧剤に同意しなければよかったか、アタマをよぎる。
振り返らない。

「いいことを探すこと」Hさん。

明日も来ます。
2022/08/31

再び発熱

8月31日

きょうの3曲。

I’ll Stand by You:プリテンダーズ
What’s Up?:フォー・ノン・ブロンズ
Have You Ever Really Loved A Woman:ブライアン・アダムス

15時に病院へ。
本日から経管栄養を再開し、点滴は休止。
9月最終土曜日に窓越し面会予約できるか相談。

家にもどって16時44分に病院から着信あり。
あのあと38℃以上の発熱。
経管栄養は再び中止で、点滴再開。
左肺の状態は一昨日と大差なし。
熱以外は落ちついている。
まだしばらく緊張が続く。

8月が終わる。




2022/08/29

コザクラーズ

8月29日

今朝は室温23.5℃。

足元の ネコ温もりと 秋の朝

きょうは4曲。

教訓 I :加川良
教訓 II:なぎら健壱
もしも:武蔵野タンポポ団
遠い世界に:五つの赤い風船

15時に病院へ。
看護師のSさんからようすをきく。

酸素昨日4リットル、本日3リットルに減らすも
飽和度100%をキープ。
血圧、体温など問題なし。
利尿剤を減らして、800CCくらい。

31日からカテーテルは残したまま
経管栄養を再開予定。
問題なければ外せる。
きょうでカテーテル入れて11日目。

今月の理髪は見送り。
お風呂もまだ入れない。

帰り際、以前4病棟にいた
ベテラン看護師のIさんと遭遇。
啓治のようすを話していたら、
主治医が通りかかる。

本日の画像は、金曜日よりだいぶ
左肺が見えるようになってきたと。

ノートを受け取りにきたFさん
「よかったですね」

***

Sさんのカードに笑う。
コザクラーズ(Sさんが飼っているコザクラインコ4羽)よ
ありがとう。
またあいたいね。
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